塾に入ってこられる時に「うちの子は理科が苦手で・・・理科の点数をなんとかしてもらえませんか?」のようにおっしゃるお母さんが時々いらっしゃいます。
話を聞くと確かに理科の点数は悪いです。
そうして理科の授業に来てもらって、実際に理科を教えさせていただくと、理科ができないのではなくて理科の問題を読み解く力がないことがわかったりします。
例えば、理科の問題で密度を問われている問題があったとします。しかし、その2〜3行の文章が読解できず、何を聞かれているのかがわかっていません。何を聞かれているかがわからないので、生徒もどう答えて良いのかがわかりません。
で、私が「この問題は何を聞いてるの?」と聞いてみると、もう一度問題文を最初から読み出します。
「いやいや、一言で言ったらこの問題は何を聞いてるんやろ?」と聞くと「うーん・・・・」と悩み出します。今先ほど2回も声を出して読んだのに・・・
例えば「密度」が聞かれていたなら問題文中から「体積」と「質量」を探さなくてはいけません。「質量」を聞かれていたら「体積」と「密度」を探さなくてはいけません。しかし、何を聞かれているのかがわからないので問題文中にある数字を適当に足してみたり引いてみたりして答えたりします。
この生徒は日本語で書かれた2〜3行の問題文で何を聞かれているかがわからないまま、適当に答えて正解するような問題しか小学校でやってこなかったのです。まずは文章読解力というほどのことではないですが、何を聞かれているのか、がわかる程度の文章読解力が必要です。
この子はきっと社会でも同様の間違いをしていると思いますし、数学の文章問題でも同じようなことをして間違っていることが予想できます。ましてや英語などもっと細かい文法まで見ていかないといけない問題はもっと悲惨なことになっているかもしれません。
こういうケースではこの子は理科に問題があるのではなくて、ほんの少しの文章読解力をつけることが最優先課題になります。文章読解力に問題があると、理科はもちろん社会・数学・英語・国語のすべての科目において悪影響が出ます。
うちの子はそんなにひどくないわ、と思われているでしょう?
実はこのケースは珍しくありません。60%〜70%の生徒がここまでひどくはないにしても、「問題文で何を聞かれているか?」に明確に答えられません。文章読解力に本当の問題があるのに理科の問題をいくら練習しても根本的解決にはなりません。同じような問題ばかりやっているとそれと似た問題は比較的答えれるようになります。(これが多くの塾がやっている点数アップ方法です)きっと学校の定期テストは実力以上の点数を取ってきているのでしょう。
それでは中3になった時や高校生になってから本当に困ってしまいます。
だから学習相談に来ていただいて、本当の問題はどこにあるのかと言うことを探っていただくのが問題解決の第一歩になるのではないかと考えています。ということで学習相談に来てください。
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中学校の理科ができるようになるコツは「覚えないといけないところ」と「考えないといけないところ」をきっちり分けて理解することです。ここの線引きは中学生には難しいかもしれません。テストの点数が90点台の生徒でも丸暗記していたりすることもよくあります。それはそれで入試の時に問題なのですが、ここでは置いておきます。
で、理科ができない子の90%以上は「覚えないといけないところ」を覚えていなくてわかりませんと言います。それは当たり前のことです。
例えば、2年生の化学の範囲を例にとってみます。
ここの単元は化学にしては比較的覚えなくてはいけないことが多いです。例えば「元素記号」は絶対に覚えなくてはいけません。Hが水素でOが酸素などの記号のことです。銅がCuということも覚えずにわからないという生徒が結構いますがこういう人たちは論外です。元素記号も無限に覚えなくて良いです。め塾では14個だけ覚えます。あとは頭を使って頑張ります。でも、理科が苦手な人はもっと覚えなくては・・・と考えて覚えられなくなっています。
「化合物の名前は後ろの元素記号から前に読み上げていく」という考え方をまず覚えます。
酸素がO、銅はCu、マグネシウムはMg、鉄はFe、硫黄はS、炭素はCです。
例えば「酸化銅」は「CuO」です。後ろから読むと「酸素銅」です。「酸素銅」は「酸化銅」になります。
「後ろから前に読み上げていく」という部分と元素記号さえ覚えていたら化合物の大半は「覚える」のではなくて「つくる」ことになります。「酸化マグネシウム」は「MgO」ですし「酸化鉄」は「Fe O」になります。
「硫化鉄」は「FeS」じゃないかな?と考えることができます。
それに小学生の時に「二酸化炭素」は「CO2」とひとかたまりの記号で覚えましたが、後ろから前に読んでいくと「二 酸化 炭素」となり「酸化銅」などと同じように名前を作っているだけの化合物ということがわかります。
しかし理科が苦手な子は
酸化銅はCuO、酸化マグネシウムはMgO、硫化鉄はFeS・・・と丸暗記します。学校のテストの時はそればっかりやっているので覚えているのでしょうが、1ヶ月も経つとすっかり忘れてしまっています。
もちろん丸暗記して覚えなくてはいけないものもあるのですが、全部を丸暗記するのと部分的に丸暗記するのとでは記憶の保持時間が全然変わってきます。
こんなことは初歩的で簡単なことですが、こういうようなことが理科のそこらじゅうに散りばめられています。こういう考え方で理解して覚えていくと中3になっても覚えています。他にもいっぱいありますよ。
め塾は勉強のやり方を変えることによって成績を上げる学習塾です。ですが、勉強のやり方はなかなか変わらないものです。
例えば小学6年生の生徒であれば、小学校1年生から6年生までの間の6年間のその人なりの勉強の姿勢の蓄積があるわけです。例えばコップの中に緑色のついた水が入っているわけです。6年間も緑色をずっとつけ続けていたわけです。その緑色の水を白色に変えたいわけです。3ヶ月白い水を入れたところで白くはなりません。せいぜい緑が薄まる程度です。
そもそも3ヶ月塾に入れて勉強ができるようになるとか頭が良くなるというようなことはほとんどないと考えた方が良いでしょう。
確かに3ヶ月で勉強ができるようになる生徒はいます。そういう生徒は素直なことが多いですし、もともとコップの中に薄い色の水が入っています。素直でない生徒やすぐに塾を休んだりする生徒や態度の良くない生徒はほとんどの場合、コップの中に墨汁みたいな水が入っています。
そういう生徒のコップを白くするには、素直な生徒の3倍以上の労力や時間がかかります。
しかし世の中の大半のお母さん方は3ヶ月で成績を上がってほしいというような欲求を持っています。そういう要求に応えようとすると、学校の定期テストで成績を上げるしかありません。しかも、短時間で点数を上げるには詰め込み型の勉強になります。丸暗記型の勉強と言っても良いでしょう。それが1番手っ取り早く点数が上がる方法になります。
なので、世の中の99%以上の塾がお母さん方のそういうニーズに応える形で授業を行っています。
しかしテストの点数が上がったところで、その生徒自身の能力といいますか、生徒自身の頭が良くなっていなかったらそれは望んでいる結果ではないのではないでしょうか。物分かりも悪く何度も説明されなくては理解できないような頭でも良いのでしょうか?
極端な例で申し上げますと、学校のテストの点数はとても良かったけど、高校には合格できなかった。これ満足できますでしょうか。
良い大学に入学できました。しかし、社会に出てからあの人は高学歴の割には仕事が全然理解できないよねと言われるような人物に育てたいでしょうか。
そんなことを望んでいるお母さんはいないと思います。
どちらかと言えば逆のことを望んでおられるお母さんの方が多いのではないでしょうか。高学歴ではないけども、仕事や物事の理解がはやい人物だったりとか、頭の回転が速く問題点を見抜けるような人物であったりとか、そういういわゆる仕事のできる人物になってもらいたいと思っているのではないでしょうか。
少なくとも私たちはそう思っています。なのでめ塾では勉強を通して頭が良い子になってもらうように授業しています。そのためにはやはり勉強のやり方も変えてもらう必要が出てきますし、授業の聞き方も変えてもらう必要が出てきます。そういう勉強に対する姿勢を変えることによって能力が上がり、その結果として劇的な点数アップを実現しています。
中学3年生の4月にめ塾に入ってくる生徒に勉強の姿勢をよくするように色々と指導します。その生徒が勉強の姿勢が変わってきたなぁと思うのは受験直前の2月頃です。
でもいいんです。本番は大学入試なので、高校入試には間に合わなくても高校入学後にしっかり勉強の姿勢をキープしていれば大学入試には間に合いますから。
高校3年生の4月に入塾してくる生徒に勉強の姿勢を帰るように指導をします。しかし、入試直前になっても勉強に対する姿勢が変わる事はあまりありません。成績が上がらないわけではないのですが、勉強の姿勢はなかなか変わりません。中3の生徒より苦労します。
しかし、小学5年生の生徒であれば、勉強に対する姿勢は半年くらいで変わる子が多いです。
やはり脳が若いうちといいますか、頭が柔らかいうちに勉強の姿勢を整えて上げることがその後の勉強をとても有利に進めることができます。習い事ももちろん良いのですが、頭を鍛えることをできるだけ早いうちにやっておかれることを心からお勧めします。